大学卒業時に一般企業に就職した友人たちにずっと言っていた「俺は絶対に弁護士になるから見てろ!」という言葉が、僕が新しい道へ踏み出す壁になっていました。
その壁、つまり、プライドは思っていたよりもとても厄介なもので、弁護士になるという夢を失い、司法試験に合格するという目標をも失った僕にとって、乗り越えることは簡単ではありませんでいした。
いつしか僕は自宅の自分の部屋にひきこもる「ニート」になっていました。
どんなニートだったかと言うと、朝起きてご飯を食べて、部屋に戻りプレイステーションの電源を入れてゲームをする。
昼になると昼ご飯を食べて、部屋に戻りゲームを再開する・・・この繰り返しです。
典型的な「ゲーマーニート」です。その頃やっていたゲームは「戦国無双」「侍道」です。武器をコンプリートしたり、キャラクターを最高レベルまで育てたり、そんなくだらない目標を掲げて、ゲームに没頭していました。
また、完全なニート・ひきこもりになると美容室に髪を切りにいくこともおっくうになります。髪を切っている時に美容師さんに訊かれる「お仕事は何をされているんですか?」という問いが怖くなるのです。
そこで、僕は美容室に髪を切ることを避けるために、自分で自分の髪を切ることにしました。散髪代も浮くし、美容師さんと話す必要もない。100円均一で勝ったセニングシザーズ(すきばさみのこと)が僕の相棒でした。お陰で、今は特技欄に「セルフカット(自己散髪)」を書くことが出来ています。)
美容室にも、友人との外出もなくなった僕は完全なニート・ひきこもりになりました。
ゲーム三昧、漫画三昧の日々。それの繰り返し。気づけば半年近くニート生活をしていました。
そんなある日、ニート生活を脱出するキッカケとなる出来事が起きます。
夜、下の階で話していた両親のこんな声を聴いてしまったのです。
「●●は有名私大の法学部も出してやったのに、今は朝から晩までゲームばかりしている。あいつはこれからどうするつもりなんだろうか・・・」
その言葉を聴いて僕はハッとしました。25歳にもなって、親に将来の心配をさせている自分が情けなくなりました。
そうだ、このままで良いはずがない。何かしないと!でも普通のことをしたら、普通に就職した同年代のやつらに一生勝てない。何か、あいつらを追い越すだけの「武器」が必要だ。何かないか?必死に考えました。
それと、弁護士に変わる夢・目標も必要だ。子どものころから「格好いい仕事がしたい。ヒーローのような仕事がしたい」そう思っていました。そして、その格好いい仕事、ヒーローのような仕事は弁護士だけではないはずだ。弁護士でなくてもいい、何か格好いい仕事に就きたい。出来れば、弁護士を超えるような格好いい仕事が・・
そこから、「武器」と「夢」を探す日々に突入します。しかし、実際は定職に就いていない、25歳のクセに親からお小遣いをもらって1円も自分で稼いでいないニートのままです。
しかし、夢はそんなに早くみつからなかったのですが、武器は意外と早く見つかりました。
ちょうどその頃、ある言葉が流行っていたからです。「IT起業」です。
堀江貴文さんがライブドアを上場させ、世間ではインターネットビジネスで巨万の富を得たIT起業家が一段旋風を巻き起こしていました。いわゆる「ITバブル」の時代でした。
インターネットというフィールドで今までのビジネスの枠組みを破壊して、お金をスマートに稼ぐその姿に刺激を受けて、僕は「これだ!」と思いました。「インターネットでお金を稼ぐスキル」を身に着けてやる。と決めました。
インターネットでお金を稼ぐことが出来れば、企業でサラリーマンをやって給料をもらっているやつらにはない、「自分でゼロからお金稼ぐスキル」を手に入れることが出来る。サラリーマンのあいつらに勝つことが出来る。
そして、これからはITの時代だ。このITの時代において、インターネットでお金を稼ぐスキルは将来性抜群だと確信しました。
でも、その頃、ネット副業をうたうビジネスが世間に乱立しており、再び立ち止まってしまいました。ポイントサイトで稼ぐ、ヤフオクで稼ぐ、せどりで稼ぐ、アフィリエイトで稼ぐ・・・いったいどれをやればいいのかさっぱり分かりません。
また、ホームページも乱立していました。詐欺的なホームページも多くて、どの情報を信頼すれば良いのか分からない。
しかし、そんな時に出会ったあるホームページと出会ったことがキッカケとなって、「アフィリエイト」というインターネットビジネスに集中することにしました。
アフィリエイトとは、自分で運営するサイトに広告(例えば楽天の商品広告)を掲載し、その広告経由で売上が立てばその売上の何%かが広告収入として入る成果報酬型のインターネットビジネスのことです。
そのサイトは公認会計士試験の受験をしながらネット副業で稼いでいる「邦さん」が運営する「資格試験受験生のための節約収入術!」というホームページでした。
かつての自分と同じ難関国家資格(邦さんは弁護士ではなく公認会計士でしたが)を目指しながら、インターネットビジネスで受検の為の収入を得ていることに激しく共感を得て、そのホームページを隅から隅まで読み込み、研究しました。
25歳で法律にちょっと詳しいだけのニート経験者の自分ではありましたが、時代に合った「インターネットで自分で稼げるスキル」を手に入れることで手に職がついて、自信を取り戻すことが出来ると考えました。
とにかく武器を身に着けることだ。弁護士に代わる夢は、まだ見つかってないが、それは後でもいい。
そうして、僕のアフィリエイターとしての挑戦が始まりました。
高校~大学時代 → 司法浪人時代 → ニート時代 → 専業アフィリエイター時代 → 自分探し時代 → 1社目時代 → 2社目時代 → 3社目時代(現在)