コンサルティング営業でキーマンの「心を鷲掴み」にする3つの方法

コンサルティング営業において、キーマンの心を鷲掴みにすること。すなわち、「顧客グリップ」。その秘訣をご紹介します!

コンサルティング営業において、キーマンの心を鷲掴みにすること「顧客グリップ」は、他社の営業より優位に立つ為に、非常に有効です。

成功すれば「洗脳」と似たような状態になり、顧客があなたの「ファン」になります。

僕の1社目の共同創業者のOさんが、この力にとても長けており、僕は2年間この「洗脳の場」を間近で見る機会を得ました。

ただ、その当時はOさんが何をしているのか、なぜ相手がOさんに心酔するのか、全く理解出来ませんでした。

社会人としても、営業としても初心者な自分には、1時間程度で相手をファンにしてしまう彼の芸当が「魔法」のように見えました。

しかし、今は違います。自分もコンサルタントとして、営業として現場経験を積み、多くの人に出会い、彼と同じような「顧客グリップ」が出来るようになりました。

今回は、「キーマンの心を鷲掴みにする方法」を3つご紹介します。

方法その1:現場力で魅せて心を鷲掴みにする

現場力で魅せて心を鷲掴みにする、この方法こそがコンサルティング営業の「顧客グリップ」の「王道」です。

コンサルティング営業において、現場で顧客にヒアリングを行い、議論して、助言や指導し、モヤモヤした状態をスッキリさせることは営業にとって一番の醍醐味です。

思考力、コミュニケーション力、専門知識を総動員して、顧客のモヤモヤをスッキリに導くプロセスを現場で魅せて顧客の心を掴みます。

方法その2:自身の志で心を鷲掴みにする

2つ目は、自身の志(ライフビジョン、キャリアビジョンなど自分が人生や仕事を通じて成し遂げたい強い想い)があり、言語化出来ている人のみが使える方法です。

漠然とした想いでは、この方法は使えず、明確に言葉として相手に伝えられる必要があります。

明確に言葉として伝えられる(しかも想いを乗せて)ことで、相手の志との連鎖反応や共鳴反応を起こすことが出来ます。方法は大きく分けて、2つです。

顧客とのコミュニケーションを通じて、相手の志が何か分かった場合

顧客の志が何かわかると、自分の志との共通点が見つかります。使っている言葉が同じ場合は、同じ言葉を伝えます。言葉が違う場合は、少し抽象化した自分の志を伝えます。

その結果、相手の目が変わり、「何十年来の友を得た!」といった反応が起きれば、志の連鎖が起きています。

顧客とのコミュニケーションを通じて、相手の志が何か分からなかった場合、もしくは、自分の志と全く共通点がない志だった場合

志が何か分からなくても、何か強い想い、ベクトルを感じる場合は、自分の志を相手と同じかベクトルでぶつけてみてください。

人は自分と同じ強さのベクトルを持っている人間に共鳴します。「なんかよく分からないけど、自分に近い面白い奴を見つけた!」といった反応が起きれば志の共鳴が起きています。

また、自分の志と全く共通点がない志だった場合も自分の志を自信を持って伝えてみてください。「自分の志とは違うけど、志をもった仲間を見つけた!」といった反応が起きれば志の共鳴が起きています。

方法その3:心理学を活用して心を鷲掴みにする方法

3つ目は、心理学を理解した上で、営業プロセスに組み込み、心を鷲掴みにする方法です。

この方法は最後にしたのは、理由があります。この方法を最初に知ってしまうと、「人を信じられなくなる」からです。僕は信頼関係の構築の本質は「まず自分が相手を信じること」だと考えています。

にも関わらず、これから紹介する心理学を先に知ってしまうと、どんな人の行動もこの心理学を利用してとっているように見えてしまい、人を信じられなくなってしまいます。

ですので、これからご紹介する心理学は、メカニズムとして理解するに留め、上述の?と?を原則として正攻法で心を掴むようにして欲しいと思ってます。

ちなみに、僕の1社目の共同創業者OさんはNLPという実践心理学のトレーナーでもあり、営業プロセスに心理学を組み込んで、心を鷲掴みにすることに非常に長けていました。

ここでは、心理学の中で僕が「営業現場で使いやすい」と思えるものを5つ厳選して、ランキング形式でご紹介します。

第1位:類似性の法則

人は自分と似た人に心を開きやすいという法則です。

人類の歴史上、人間の命を一番奪って来たのは人間です。ですから、人間は自分以外の人間を「警戒」するように本能的にプログラミングされています。

では、人間が一番安心出来るのは誰か?自分自身です。

そこで、自分自身と似た人、共通点がある人を心を開きやすいという訳です。

ちなみに私の経験上、出身地、出生地などの「土地」で共通点を見つけると一気に心理的距離が縮まります。

なお、この原理に基づく心理テクニックとしてし「ミラーリング」「ペーシング」というものがあります。

ミラーリングは、相手と同じ動き、癖などを意図的につくることで類似性の法則を働かせて、関係構築するテクニックです。

ペーシングは、相手と同じトーン、話し方、スピードなどのペースを意図的につくることで類似性の法則を働かせて、関係構築するテクニックです。

どちらも意識すれば、簡単に出来るテクニックなので、ぜひ実践してみてください。

第2位:解放性の原理

仕事上、つまり公的な自分ではない、私的な自分を解放することで相手が安心して心を開いてくれるという原理です。

ただし、この原理を使う際は注意が必要です。それは、解放の順番です。私的な自分を解放する前に、仕事上の公的な自分を解放して「仕事が出来る人間だ」との評価を得ないと逆効果になります。

初対面で仕事で役立つかどうか分からない人に、私的な自分を解放されても、普通戸惑います。

まずは、仕事面で一定の評価を得る、その後私的な自分を解放するという順番にご注意ください。

第3位:自己有能感

人は自分が有能であると思わせてくれた人間を好きになる、心を開くという心理です。

この心理学は「プライドが高い相手」に非常に有効です。

私が担当するある企業の担当者にとてもプライドが高い人がいるのですが、その方と話すときは、その人の自己有能感を高めて場を終えることをしています。そうすることで、仕事がとてもやりやすくなります。

第4位:自己重要感

人は自分を重要である、大切である思ってくれる人間を好きになる、心を開くという心理です。

この心理学は「大切にしてもらいたい、特別扱いして欲しい相手」に非常に有効です。

顧客を「大切にしていますよ!」「特別ですよ!」と明確に伝えましょう。

第5位:好意の互恵性の法則

相手のことを好きになれば、相手も自分のことを好きになりやすいという法則です。

仕事をしていると時に「この人とは働きたくない!」「心底、嫌いだ!」そんな相手に出会った経験ありませんか?

きっと誰でもあると思います。そんな時に自分が相手を嫌いになって接していると、相手も自分のことを嫌いになり、関係性が崩れやすくなります。

では、どうすればいいのか?相手を好きになればいいのです。人として。

しかし、一度嫌いになったり、苦手意識を持ったらなかなか好きになれないのも人間です。そんな時におすすめの方法が「美点凝視」です。人は悪いところにとかく目が行きがちです。一方で、良いところはなかなか気づきません。

そこで、「この人のここは嫌いだけど、この一点については好きかもしれないところ」を凝視して、発見するようにしてください。

そして、発見したらその人に明確に伝えてください。「●●さんの~なところ、本当に凄いと思うんですよね!」これを繰り返すと、その良いところが自分の中にインストールされて、少しですが好きになります。