いきなりですが、パナソニック創業者の松下幸之助は、このような言葉を残しています。
うまくやっている人は、なぜうまくやれているか?それは、うまくやれるようにやっているからだ。ダメになる人は、なぜダメになっているのか?それは、ダメになるようにやっているからだ
松下幸之助の言葉を営業活動に置き換えると「営業活動で結果を出している人は、結果が出るようにやっている。一方で結果が出ない人は結果が出ないようにやっている。」
その「(営業としての)結果が出るようにやっていること」が「営業のコツ」です。
そして、営業という仕事には「量質転化の原則」があり、正しい振り返りをしながら量をこなせば、必ず質が高まります。
言い換えると、商談の人数と商談の数をこなしながら、営業のコツを会得し、スキルをアップして行き、そのスキルがある一定の地点を超えた時に営業としてランクアップします。この地点を「ブレイクスルーポイント」と言います。
営業としての成長が早い人は、「営業のコツ」の会得がうまく(これは確かにセンスもあります)、他の人よりも早くブレイクスルーするため成長が早いのです。もちろん営業のセンスがない人も諦める必要はありません。(僕も営業センスは無かった方の部類です)
営業のコツを着実に会得するためには、「具体的な営業経験→効果的な振り返り→営業のコツの気づき→次の具体的な営業活動でのでの実践」という経験学習サイクルを回すだけなのです。
そこで、今回は僕の具体的な営業経験という事例から入り、どのように「営業のコツ」に気づき、そして、どんなブレイクスルーポイントを迎えたのか、という流れでご紹介します。
また、僕が会得した「営業のコツ」だけでは、あなたの営業スタイルに合わないかもしれないので、僕が会得した具体的な「営業のコツ」をもう一段「抽象化」して、「営業のセオリー」とし、あなたの営業活動へ「応用」しやすいように工夫しています。
ぜひ、営業ブレイクスルーを誰よりも早く迎えるために活用してください!
- 1 ブレイクスルーポイント1「1日10数軒の飛び込み件数が、平均50軒以上飛び込めるようになった!」
- 2 ブレイクスルーポイント2「飛び込み営業で第1関門(受付)を突破して、意思決定権者(院長)に面会出来るようになった!」
- 3 ブレイクスルーポイント3「院長との再面会率を上げることが出来るようになった!」
- 4 これらの「営業のコツ」をあなたの営業活動へ応用する方法
- 5 ブレイクスルーポイント4「院長との面会を通じて、取引を始めることが出来るようになった!」
- 6 ブレイクスルーポイント5「セミナー営業で、セミナー後相談をもらえるようになった!」
- 7 ブレイクスルーポイント6「コンサルティング営業で研修や個別指導を取れるようになった!」
- 8 まとめ
ブレイクスルーポイント1「1日10数軒の飛び込み件数が、平均50軒以上飛び込めるようになった!」
僕の事例
1社目の歯科医療商社を社長のOさんと共同創業した僕。その僕が受けた飛び込み営業のOJT(オン・ザ・ジョブトレーニング、職場内訓練)は、たった1日の営業同行だけでした。
そのOJTの内容とは、事務所代わりに借りたマンションがある最寄りのN駅周辺にある歯科医院30件をOさんと一緒に飛び込み営業して周り、受付の人にどう言うか、院長に会えたときどう言うか、を後ろに着いて回るだけ。その日1日が終わった後、「明日からは今日のような感じで、自分1人で飛び込み営業するように」との指示がありました。
次の日から僕の「飛び込み営業地獄」が始まりました。朝、事務所代わりのマンションに出社したらターゲットとなる駅周辺の歯科医院の地図を印刷して、飛び込む歯科医院分のチラシを持って出動です。飛び込んでは、「今、診療中なので・・」と断られるばかり。当然、モチベーションも上がりません。
そんな低いモチベーションの中でも、Oさんからは「1日100軒を目標に飛び込め!」と言われていました。でも、10数軒がやっとでした。「とにかく数をこなせ!」と言われるものの、数すらこなせずに、当然何の成果も得れず途方に暮れていました。
これらの「営業のコツ」を掴んだから、ブレイクスルーした!
そんな日々を過ごしながら1日10数軒しか飛び込み営業出来ない現状を何とか打破しようと、自分なりに考えて、工夫するようになりました。
Oさんからは、「1日50軒はいける!とにかく、やれ!」としか言われないため、自分で考えるしかなく自分なりに考えるようになりました。その結果得た「営業のコツ」がこちらです。
- 飛び込むエリアだけでなく、「最短の営業ルート」を書き込んだ地図を準備しておくこと(最初は、歯科医院がどこにあるかわかる地図だけでしたが、どのようなルートで回ればいいかルートを書きこむようになりました)
- 徒歩ではなく、自転車で移動して移動時間を最小化すること(歯科医院は最低でも1軒と1軒の間に数百メートル明けないと医院を開けないルールがあり、そのため徒歩での移動ではとても辛かったです。そこで、自転車を経費で買ってもらいました)
- 飛び込み先を「見切る」スピードをあげて、テンポ良く飛び込むこと(入口入った瞬間に、患者が混んでいて受付突破率低そうな歯科医院は飛び込まないようにしました。そして、見切りながらテンポよく飛び込むようにしました。)
これらの「営業のコツ」をあなたの営業活動へ応用する方法
上述の「営業のコツ」をどのような営業活動にも応用できるように一段「抽象化」して、「営業のセオリー」とすると以下のような内容になるかと思います。
- 営業成果につながらない移動時間を最小化し、面談・商談時間を最大化すること(事前の準備や移動手段の変更によって、営業成果につながる有効面談・商談に時間を使える)
- 「顧客になる可能性が高い見込み客」を見極め、その見込み客に絞って(選択と集中)アプローチすることで営業生産性を上げることができる
ブレイクスルーポイント2「飛び込み営業で第1関門(受付)を突破して、意思決定権者(院長)に面会出来るようになった!」
僕の事例
ブレイクスルーポイント1を経て、毎日50軒以上飛び込めるようになった僕でしたが、歯科医院の意思決定権者である院長になかなか面会出来ませんでした。「この商品を買う」という購買意思決定ができる人に会ってない以上、当然取引を始めることは出来ません。
その原因を自分なりに考えてみると、「歯科医院の受付スタッフさんを突破できない」ということだと判明しました。
前提として、イメージしてもらいたいのですが、歯科医院に入ると受付があり、その奥に診療室があります。院長は診療室にいます。
その院長と面会するためには、受付の人に診療室に入れてもらうか、院長に診療室の外に出てきてもらうか、のいずれかの「結果」を得ることが必要でした。
これらの「営業のコツ」を掴んだから、ブレイクスルーした!
なかなか「院長と面会する=受付を突破する」ことが出来なかった僕は、また自分で考えるようになりました。どうすれば、受付スタッフを突破して院長に面会できるのか?その結果、いくつかの「営業のコツ」を掴むことが出来ました。
- 飛び込む前に「受付突破率」を考え、低そうな医院には受付スタッフにすら声をかけない(歯科医院に入った瞬間、患者の靴が大量にあると診察が立て込んでおり受付スタッフも忙しい。その場合、受付突破率が低いと判断してそのまま出る)
- 受付スタッフを3つのタイプに分ける(A:診察が落ち着いていれば院長に合わせてくれそうなタイプ、B:どちらか分からないタイプ、C:診察が落ち着いていても院長に合わせてくれなそうなタイプ、の3種類に受付スタッフを分類しました。Aは時間を変えて再アタックし、Bも再アタックして、AかCかを見極めるようにしました)
- 院長との面会確率の高い「営業ゴールデンタイム」をねらう(歯科医院の場合、診察が落ち着いて院長との面会確率が高いのは「お昼休み前」「1日の診療終了後」ということがわかり、そのゴールデンタイムに飛び込み軒数を増やすことにしました)
- 受付スタッフに覚えてもらうための「営業ツール」を活用する(インパクトのあるキャッチコピーと画像を入れたA4一枚チラシを作成し、毎回飛び込むたびに受付スタッフに渡しました。その結果「あのいつものチラシの人ね!」とチラシと併せて自分の顔も覚えてもらえるようになりました。)
- 受付スタッフとの接触頻度を上げて、関係構築をする(受付スタッフに自分の顔、チラシを覚えてもらうために、翌日に再訪問するようにしました。そうすることで、受付スタッフの記憶の記憶に残り、「あ、前も来たあの人だ!」という関係まで頑張りました)
これらの「営業のコツ」をあなたの営業活動へ応用する方法
上述の「営業のコツ」をどのような営業活動にも応用できるように一段「抽象化」して、「営業のセオリー」とすると以下のような内容になるかと思います。
- 意思決定権者までの門を守る「ゲートキーパー」の突破率を測り、突破率の高そうな見込み客を重点的にねらうこと
- ゲートキーパーのタイプ分けを行い、突破確率の高いタイプを重点的にねらうこと
- 意思決定権者との面会確率が高い時間帯、曜日(=営業ゴールデンタイム)をねらうこと
- 「ゲートキーパーとの関係構築のための営業ツール」を活用して、ツールにも営業させること
- ザイアンス効果(人は接触頻度が上がるほど、信頼するようになる)をねらって、ゲートキーパーと関係構築すること
ブレイクスルーポイント3「院長との再面会率を上げることが出来るようになった!」
僕の事例
歯科医院の第1関門である受付スタッフ(ゲートキーパー)を突破する確率が高くなってきた僕が、次にぶつかった「壁」が院長と一度会えただけでは「商談」にならないということでした。
飛び込み営業の場合、基本「ノンアポイントメント」で行くために、受付を突破した院長との初回面談ではほとんど時間を取ってもらうことが出来ません。3分とってもらえれば良いところです。
このたった3分で、「次につながるために何が出来るのか?」また考えました。とにかく、自分の顔と会社、商品を覚えてもらわないといけない。これがかなり難しかったです。一度会っただけでは、1週間空けて行くと「誰だっけ?」となるのです。
これらの「営業のコツ」を掴んだから、ブレイクスルーした!
ただ、以下の「営業のコツ」掴むことで、院長との再面会確率を上げることが出来るようになりました。
- 会社名よりも「キャッチコピー+取扱商品名」を覚えてもらうようにした(誰もが聴いたことがある会社名の場合は全く不要ですが、僕の1社目の会社だと会社名を言っても「??何の会社?なんだって?」と言われるのが関の山でした。しかし、タービン(歯を削るドリルのような医療機器)やコンポジットレジン(小さな虫歯に詰めるプラスチックの歯科材料。略称CR。)などの商品名なら覚えてもらえるので「ドイツ製の高性能タービンの●●です」「通販特価CRの●●です」といった自己紹介をするようにしました)
- 受注確度の高いニーズが無いかを最初に訊いてみる(例:タービン、照射器(CRを硬化するためのLEDライトの医療機器)などの小機械や歯科材料のニーズがある確率の方が歯科ユニットなどの大機械より高いことが分かり、院長のニーズがある可能性が高いものから訊くようにしました)
- 「刺さる営業フレーズ」を使う(ファーストコンタクトで刺すためには一度聴いたら忘れないインパクトのある刺さる営業フレーズが有効でした。僕の場合は院長に会った際は「業界タブーを破る激安特価の●●です!」「他社の半額の歯科ユニットの●●です!」といったインパクトフレーズを使っていました)
- もう一度会ってもらうための理由を作っておく(飛び込み営業では一度面会して何の商品も買ってもらえないことがほとんどなので、院長の興味関心がある機械の資料を持ってくるなど「宿題」をもらう、サンプル持参の理由になる「無料お試し」をとるなどを初回面談では意識して、もう一度会ってもらうための理由を作っていました)
- 院長との接触頻度を上げて、関係構築する(院長も受付スタッフと一緒で、次の日の同じ時間に再訪問して御礼を言う、可能であればもらった宿題を提出するようにしていました。)
これらの「営業のコツ」をあなたの営業活動へ応用する方法
上述の「営業のコツ」をどのような営業活動にも応用できるように一段「抽象化」して、「営業のセオリー」とすると以下のような内容になるかと思います。
- 「刺さる自己紹介」「刺さる営業フレーズ」でファーストコンタクトで意思決定者の記憶に残す
- 確度の高いニーズ仮説をぶつけて、次の商談につなげる確率を上げる
- 意思決定権者との関係構築のために、もう一度会う理由を初回面談で作っておく。出来れば、初回面談時に次回のアポまで確定させる。
ブレイクスルーポイント4「院長との面会を通じて、取引を始めることが出来るようになった!」
僕の事例
飛び込み営業で受付スタッフを突破して、院長に面会し、そして再面会する確率を高めることが出来るようになった僕に再び「壁」が訪れました。
(今振り返ってみれば、上司のOさんから効果的な営業指導がなかったので、非効率なことばかります。でも、自分で考えるしかないので、必死で考えていました。)
受付スタッフに顔を覚えてもらい、その歯科医院にいけば院長に会える状態になっても、なかなか取引を始めることが出来なかったのです。
思い出深いのは、今でもいつでも会えるぐらいに関係性が深い「大阪で5本の指に入る超人気歯科医院のE歯科」と「大阪でもトップクラスのスタッフ数50名を誇るK歯科医院」です。
両方とも受付スタッフと関係構築し、顔パスになり、院長も時間があれば必ず会ってくれるようになったのですが、中々「ビジネスの関係性」になりませんでした。
行けば会ってくれるし、医院の中にも入れてくれる。そして御飯にも連れて行ってくれる。今でもフェイスブックで両名ともつながっており、院長だけでなく院長夫人にも可愛がってもらっています。しかし、今では色々な提案が出来る関係まで来ましたが、取引を始めるまでは本当に苦労しました。
これらの「営業のコツ」を掴んだから、ブレイクスルーした!
そんなE歯科とK歯科医院を代表する院長には面会できるけど、中々取引に持っていけない。つまり、クロージング出来ないお客様をクロージングするために会得した「営業のコツ」が以下の通りでした。
- 少額の取引を確実に始める(E歯科で一番最初にもらった仕事は3000円程度の歯科材料の注文でした。この取引を始めてもらうまで、通った回数は数えきれません。そして、取引を始めた後は「既存顧客」ですので、以後は全く関係性が変わりました。取引0と取引1の圧倒的な違いを体感した出来事でした。100円でも1000円でもお客様はお客様、とにかく小さくてもいいので取引を始める。口座を開かせることの大切さを痛感しました。)
- 院長との面会頻度を上げて、より強固な信頼構築を行う(取引を始めるまではとにかく会えるだけ、会いに行っていました。1分でも5分でも。そうすることで、この営業となら取引を始めても安心かな、と思えるだけの強固な信頼関係を構築しました)
- 「落とせる営業トーク」を使う(「今の歯科ユニット高いと思ってませんか?世界標準は●●円です。」などの心を掴むトーク、「大手歯科メーカーの元トップ営業マンが社長です。」「大手メーカー●●と提携しています」などの信頼性を高めるトーク。その二つに加えて、「落とせるトーク」をします。落とせるトークとは、取引をするための背中を押すトークです。「この歯科材料は今月中だけ●●円です!」「次に僕が来た時には、もうこの商品無いかもしれませんよ!」といったものですね)
これらの「営業のコツ」をあなたの営業活動へ応用する方法
上述の「営業のコツ」をどのような営業活動にも応用できるように一段「抽象化」して、「営業のセオリー」とすると以下のような内容になるかと思います。
- 新規取引のリスクを最小化するために、小さな商品・サービスを確実に受注する
- 意思決定権者との強固な信頼関係を構築する
- 心を掴むトーク、信頼性を高めるトークに加え取引開始の決断をさせる落とせるトークをする
ブレイクスルーポイント5「セミナー営業で、セミナー後相談をもらえるようになった!」
僕の事例
結局、僕は1社目で1500軒以上の飛び込み営業を行い、1人で60軒以上の歯科医院を新規顧客開拓をしました。そして、その特異な経歴をひっさげて「コンサルタントになる!」という夢を実現するために、コンサルティング会社に転職しました。
この事例はその2社目のコンサルティング会社での話です。2社目のコンサルティング会社は大企業ではなく、数十人規模の中小企業に特化したコンサルティング会社でした。規模もF総研さんのように数百人もコンサルタントがいる訳でもなく、数十人の小さな会社でした。
そのため、コンサルティング営業・集合研修/セミナー・個別指導の3つを一人のコンサルタントが行う「フルコンサル」と呼ばれるスタイルを取っていました。つまり、新規顧客開拓はコンサルタント自身が行わないといけなかったのです。
では、コンサルティング会社はどのような営業をするか?
メインは「セミナー営業」です。セミナーを企画して、見込み客を集客して(してもらって)、セミナー講師としてセミナーを行い、自分のコンテンツのプレゼンテーションをする。そして、セミナー後の相談をもらう。この流れで相談をもらってから「コンサルティング営業」という営業スタイルでクロージングまで持っていくのです。
元々「コンサルタントになりたい!」という強い想いがあった僕はセミナー営業をやれるだけ、やりました。大手ベンダーのセミナーが中心でした。セミナーのコンテンツは人材育成の原理原則をベースとした本当によいものだった自信があったのですが、セミナー後の無料相談が中々とれませんでした。
結局2社目の1年目は自分で新規顧客開拓したクライアントは0社に終わりました。
これらの「営業のコツ」を掴んだから、ブレイクスルーした!
そんなセミナー営業で中々結果を出せなかった僕がブレイクスルーするために掴んだ「営業のコツ」が以下の通りです。
振り返ってみるとこれらの「営業のコツ」を掴むことで、セミナーを打てば少なくとも1~2人はセミナー終了後に僕の元に来てくれるようになりました。
- セミナー登壇数をこなすことで、場慣れする(セミナー講師という仕事は、先生としての立場でコンテンツを提供します。その先生としての立場を確立するために必要なのが「自信」です。自信がないと緊張してしまい、それは受講者にも伝わります。そのためある程度の数のセミナー講師をこなして、場慣れすることが大切です。)
- キラーコンテンツを含むコンテンツは出せるだけ出すことで、先生ポジションを確立する(営業活動としてのセミナーでは、コンテンツは出さない方がよいと考えてしまいがちですが、実は「逆」です。その場で出せるだけのコンテンツを出します。そうすることで、受講者から「先生」として認識されます。これだけ無料で出せるなら、もっといいノウハウを持っているのではないか、と推察されますし。)
- 机上の空論ではなく「実例」を出して、信頼感を高める(セミナーの受講者が求めていることは、コンテンツなのですが、信頼感を高めるためには「実例」が必要です。これが無いとどうしてもフワフワした机上の空論になってしまいます。そこで効くのが「実例」です。もちろん自社事例かつ自己事例がベストです。他社事例でもいいですが、やはり説得力が違います。)
- WHYとWHATをセミナーで出して、具体的にどうする?のHOWの部分をあえて隠すことで、モヤモヤさせ「そこが訊きたい!」という気持ちにさせる(セミナー営業のゴールは「セミナー終了後に無料相談をもらうこと」です。確かにコンテンツは出せるだけ出した方がよいのですが、セミナーを聴くだけで全ての悩みが解決してしまっては、相談につながりません。そこで、営業の仕掛けとして「一番肝心なキモ。要は何をしたら、その結果が得られるの?」を意図的に隠します。そうすることで、相談を得る確率は圧倒的に高まります)
これらの「営業のコツ」をあなたの営業活動へ応用する方法
上述の「営業のコツ」をどのような営業活動にも応用できるように一段「抽象化」して、「営業のセオリー」とすると以下のような内容になるかと思います。
- 営業は数をこなすことで質に転化して、自信が得られる。その結果、さらに結果が出せるようになる。量質転化の原則は、自信を生み、成長の善循環を創る。
- プロフェッショナルとして出し惜しみせずにお客様の役に立つコンテンツを出せる範囲で出せるだけプレゼントすること(これが真のプレゼンテーションです)
- 口だけではなく、実際にその商品を使った、サービスを受けた「実例」こそが最大の信頼構築の要素になる
- 事前に営業シナリオを描き、ゴールを達成するための「仕掛け」を組み込む
ブレイクスルーポイント6「コンサルティング営業で研修や個別指導を取れるようになった!」
僕の事例
ブレイクスルーポイント5を経て、セミナー営業で無料相談を獲れるようになってきた僕に再び壁が表れました。無料相談を取って、次の面談につなげても、クロージングできないのです。
1500軒以上の歯科医院に飛び込み営業し、飛び込み営業で60軒以上を開拓した自分が、まさか!と思いました。「対面営業」には自信があったからです。
セミナーの受講者やホームページ経由での引き合いに対して、アポを獲り、面談につなげても中々「来月から来てください!」とならないのです。
飛び込み営業で培った自信が粉々に砕け散りました。飛び込み営業では面白いぐらいにクロージング出来ていたのに、なぜコンサルティング契約はなかなか取れないのか本当に悩みました。
これらの「営業のコツ」を掴んだから、ブレイクスルーした!
その壁をいち早く乗り越えるべく上司のコンサルタントとの営業同行時してその行動を観察し、自分の行動との違いを見極めるようにしました。
そのように悩みながらも、いくつかの「営業のコツ」を掴むことで、コンサルティング契約を獲れるようになりました。
- 無料面談と有料面談(コンサルティング)の境目を明確にする(コンサルティングという無形のサービスは、無料で行う(営業としての)面談と(コンサルティングとしての)有料の面談の境目がどうしてもあいまいになってしまいます。この境目をコンサルタント自身が明確に「ここから先は有料です。無料で渡せません」と言わないといけないのです。)
- コンサルティングという無形サービスを「見える化」する(コンサルティングという無形のサービスを売るには、「いかに見える化するか」が大切です。もともと見えないものなので、当たり前なのですが、なんらかの形で見える化しないとお客様は契約する判断が出来ません。ですので、何を提供するか解りやすい「企画書」というものが大切になってきます。)
- 自身のソリューションの価値を「魅力的」に伝えて、先生ポジションを確立する(コンサルティングという無形のサービスを受けたいと思わせるには、簡単に言うと「このコンサルタントにはお金を払ってでも、もう一度会いたい!」と思わせることです。そのためには、そのコンサルタントが提供できる情報(コンテンツ)と出来ること(スキル)を魅力的に伝えることが必要になります)
- 自身がソリューションを提供できる「根拠」を示して、信頼関係を構築する(コンサルティングという無形のサービスをそのコンサルタントが提供できる根拠を示します。コンテンツは、出来るだけ見える化したツールに落とし込んでおくことがポイントです。また、スキルは課題解決力であれば、営業段階でのヒアリングとディスカッションを通じて、顧客のモヤモヤをスッキリさせて能力をその場で証明するなどですな。営業が出来るコーチは、営業段階で自然な流れで顧客をコーチングして、コーチングの価値を体感させるのですが、そういったイメージです。)
- 大きい課題、上の課題から大きく入って、確実に小さく落とす。そして、少し大きくして最大の収益を取る(コンサルティング営業は、商品やサービスを課題解決策として提供するソリューション営業の一種です。ですが、新規顧客開拓フェーズでは、出来るだけ幅を見せて、その幅の中から確実に獲れるものを受注するスタンスが大切です。ですので、大きい課題(企業の場合は、経営課題が一番大きい)から入って、小さい課題解決策(経営課題からブレークダウンした研修)などに落とすという営業シナリオが大切になります。いきなり大きな課題の解決策を獲れればいいですが、通常は難しいので、確実に獲れる小さな課題解決策からクロージングします。そして、利益を最大化するためにクロージング後は、少し拡げて最終提案し直すとなお良しです。)
これらの「営業のコツ」をあなたの営業活動へ応用する方法
上述の「営業のコツ」をどのような営業活動にも応用できるように一段「抽象化」して、「営業のセオリー」とすると以下のような内容になるかと思います。
- 無形サービスの営業の場合、「無料と有料の境目」を意識して営業活動する
- 無形サービスは、企画書や営業ツールで「見える化」する
- プロフェッショナルとして提供できる「コンテンツ」と役立てる「スキル」を営業現場で魅せる
- 大きい又は最上流の課題から入って、クロージングしやすい課題で確実に顧客にする。そして、顧客にした後はアップセル・クロスセルで少し大きくして最大収益化をねらう。
まとめ
以上の営業セオリーをいくつかの観点でまとめると以下のような内容になります。こういったセオリーは抽象化してしまうと、「あまりにも当たり前のため、知っている」となりがちです。
しかし、「知っているー≠できる」は違いますし、「知っている≠気づいている」も違います。僕の営業ブレイクスルーの事例をご覧いただけば理解ができるように、具体的な営業活動の中で自ら振り返りをする(考える)プロセスで気づきが起きて始めて、営業のコツが会得できます。
営業活動の前提
- 営業成果につながる、面談・商談時間を最大化する
- 営業活動は数をこなすことで質に転化して、自信が得られる。その自信が成長の善循環を創る。
- 事前に営業シナリオを描き、ゴールを達成するための「仕掛け」を組み込む
- 目的に応じた営業ツールを準備して、ツールにも営業させる工夫をする
新規顧客開拓営業(全営業スタイル共通編)
- 「顧客になる可能性が高い見込み客」「突破率の高いゲートキーパー」を見極め、営業生産性を高める
- 接触頻度を上げて、ザイアンス効果をねらう
- 初回面談での「刺さる自己紹介」「刺さる営業トーク」で意思決定権者の記憶に刻む
- 受注確度の高いニーズ仮説をぶつけて、顧客の心を掴む(フックをかける)
- 新規取引のリスクを最小化するために、小さな商品・サービスを確実に受注する
- 意思決定権者と強固な信頼関係を構築する
- 心を掴むトーク、信頼性を高めるトーク、落とせるトークの三つのトークを駆使する
- 口だけではなく、実際にその商品を使った、サービスを受けた「実例」こそが最大の信頼構築の要素になる
新規顧客開拓営業(飛び込み営業編)
- 意思決定権者との面会確率が高い営業ゴールデンタイムに飛び込み営業を行う
- ゲートキーパーのタイプ分けを行い、関係構築を行う
新規顧客開拓営業(セミナー営業編、コンサルティング営業編)
- 出し惜しみせずにお客様の役に立つコンテンツを出せる範囲で出せるだけプレゼントし、信頼を勝ち取る
- 無形サービスの営業の場合、「無料と有料の境目」を意識して営業活動する
- 無形サービスは、企画書や営業ツールで「見える化」する
- プロフェッショナルとして提供できる「コンテンツ」と役立てる「スキル」を営業現場で魅せる
- 大きい又は最上流の課題から入って、クロージングしやすい課題で確実に顧客にする。